エロ漫画家になって1年経ちました

2018年夏。ネームがお蔵入りになった。
所謂、没というやつだ。
32ページ。期間は空いたが打ち合わせから提出まで一ヶ月かかってはいない。
しかも読み切りだ。エロ漫画ではないし、コードに引っかかった訳でも無い。
誰にも落ち度は無かったのだ。
理由はどうあれお蔵入りとなった事実は揺るがない。
まだ心の傷は浅い。浅いはずだ。連載用のネームとなればもっとダメージがでかいはずだ…。

こどもの頃の漫画家のイメージはというと、作家の背後に鬼の形相で腕組みをした編集者がいて死に物狂いで漫画を描かされているイメージであった。一体どこで植え付けられたのか…。

いい大人になった今はどうだろうか。

逆だ。イメージが沸かない。知ってしまったが故にもう妄想の余地は無い。
そもそも漫画で生計を立てるつもりが無かったのだ。
もう1年前になる。
かつて自分は家と会社を往復するだけの凡庸な会社員(趣味はソシャゲと同人)であった。
それがある日突然、会社に行けなくなってしまった。
予兆はあったのだがここでは割愛する。
とにかくキュアカイシャインは1年前めでたく社会不適合者エロ漫画家に進化したのだった。

商業誌でエロ漫画を描いてみた結果わかった事が沢山ある。
まず、驚く事に貯金が減る事この上ない。先に断っておくと別にさぼっている訳では無い。
毎月1本のペースで仕事して、冬コミ、ふたけっと、夏コミでも新刊を出した。
新人の原稿料についてはおおよそぐぐれば察しが付くであろう。

正直、同人活動をしていなければ今年の収支は大赤字だったであろう事は間違いない。
人気作家だったらこんなに生活の心配をせずに済んだのか。
自分の性癖がおかしいのがいけないのか…。

評価は数字に顕著に現れる。嫌な時代だ。数字がそもそも大大台に乗ったことがない。そこまで夢見た事が無い。考えた事も無い。しかし売れなければ皆が不幸になる…などと考えながらまた次の仕事をする。アンケートも芳しくない。ある担当編集に「こんなに仕事する作家他に知らない」と言われる。だって描かなかったら来月の家賃払えないじゃない。実家が来い。ないものねだりは止めよう。存在が揺らぐ。煩悶する間にもイベントにほいほい申し込んでしまう。その間にまた仕事をする……

そんな感じで1年が過ぎた。

ぐだぐだ言いましたが描ける機会に恵まれている内は描かせて頂きます。
親はまだ会社を辞めたこともエロ漫画を描いてる事も知りません。
会社に行かなくてもいい生活は最高です。
あと良かったら同人誌買って下さい。